自転車チャイルドシートの選び方

自転車の幼児座席、子ども乗せ

■前乗せと後乗せはどちらがいいのか？

前乗せは危険だが、親からよく見えて安心・楽しい。冬は風が直接当たり寒い

前乗せは、体重15kgまで＝３歳後半までできるが、２歳からは比較的安定する後ろ乗せがベター

逆に前乗せの方が安定するという親もいる。子乗せ専用自転車(ハンドルが大きく左右にわかれて前座席が間にある)は比較的ふらつかない　→くわしくは子乗せ自転車の選び方ページへ

後ろ乗せ型の方が長く使える

■何歳から自転車に乗せられるのか

～１歳ぐらい　おんぶ紐　　　　　　　(→おんぶ紐についての規則)

１歳or２歳　～３歳(体重15kg)　　前乗せチャイルドシート　ハンドルがふらつく　

(専用自転車は１歳から。普通の自転車に、あとから取り付ける子供乗せシートは２歳くらいから)　

２歳～５歳くらい後ろ乗せチャイルドシート　荷台がふらつく　
荷台は「クラス25」以上の強度が必要(2010/5JIS改正）　クラス25の場合、体重約20kg、身長115cmまで

６歳～　　　２人乗り禁止

■チャイルドシートの要チェック点

・頭部ガードが付いているか
ヘルメットだけでは不十分　　眠ってしまっても安心　(ハイバック)　

・足の車輪巻き込み防護カバーは付いているか

　また、自転車後輪にはドレスガード(チャイルドガード)

●ドレスガード・両立スタンドが自転車に付いていることを確認

なければ、自転車店で取り付け・交換することができる

社団法人　自転車協会サイトより引用

・子どもが、足置きに片足をかけてエイヤッと乗ると転倒しやすい。基本は親が持ち上げて乗せる

・子どもを乗せていないときは、横を閉じて、荷物カゴに転用できる製品が多い

■チャイルドシート取り付けの６条件

・ママチャリか軽快車　(ファミリーサイクルかシティサイクル)
そのほかの自転車でも、後ろ乗せチャイルドシートは荷台が適合すれば、取り付けられる
前乗せのチャイルドシードの場合は、ママチャリ・軽快車以外はハンドルの形が違うため困難

・車輪径が通常は24インチ以上
２２インチ以下の普通の自転車へのチャイルドシートの取り付けはたいていの機種で禁止されている　(2010/5JIS改正によって強度不足。ただし子乗せ専用車の小径車は専用なので安全に設計されている)
強度が適合すれば、たいていのチャイルドシートは22～27インチで取り付けできる　　
低い重心で３人乗りOKな電動アシスト自転車には20インチ機種も。専用のチャイルドシートあり。どっしりした固形型が主流

・荷台(キャリア)に「クラス25」以上の強度があること
荷台の幅が通常の15cm～17.3cm程度なら、取り付けられる

・両立スタンドを使っていること　　
片足スタンド(斜めになるので、子の乗せ降ろしができない)は、倒れにくい両立スタンドに取り換えることができる(数千円)

・自転車にドレスガードが付けてあること(足の車輪巻き込み防止ネット)
ママチャリは最初から装着してあることが多い

・乗り降りしやすいＵ字型などのフレームであること
フレームがぐっと低く、「スカートでも乗れる」形が望ましい。スカート姿でなくでも、男性であっても、後ろ子供乗せを取り付けると、もう足を後ろからぐっとまわしてサドルに乗ることは難しくなる！(子供乗せと子どもにぶつかる)

以上の条件に、2011発売以降のママチャリの多くは適合

■チャイルドシートでの事故

・子どもを乗せると、自転車はふらつき、ブレーキの制動距離も長くなる

・リコール

2007/11発売の製品「ＮＥＷロイヤルサイクルチャイルドシート」
朝日新聞10/9/3夕p11「製品事故　抱え込む企業　　国への報告　軽傷・破損は任意」より引用
「…製品事故の報告制度は、３年前の改正消費生活用製品安全法施行でスタートした。死亡や全治30日以上…は、…消費者庁…に報告する義務…。一方、軽傷や製品破損の事故は経産省所管の製品評価技術基盤機構(NITE)に任意で報告することにした。ブリヂストンサイクルが…チャイルドシート…子どもがかかとを後輪に巻き込まれて重傷を負う事故が４月に起きたと報告した。だが、…別のタイプの事故も含めて、軽傷・製品破損計7件の報告を見送っていた。その後…リコールに踏み切っていた…」
→かかとが後輪に巻き込まれないように、大きなカバー付きチャイルドシートを　　

安全面(事故)については別ページも参照
リコールについてのブリヂストンサイクル社告　

■普通の自転車　＋　後チャイルドシート
＝　前乗せシートよりは安定

●まず必要なもの

ブリヂストンサイトより引用

・後席チャイルドシート(１万円前後)は、丈夫な荷台さえあれば、どんな自転車にも付けることができる。子乗せ専用自転車に限らず、ママチャリでもクロスバイクでもかまわない

・荷台(リアキャリア)は「クラス25」以上の強度が必要　

「25」未満の場合、「25」以上の荷台を買って交換。古いものには「18」などがある
「クラス25リヤキャリヤ」（最大積載重量25kg　＝　子どもの体重　＋　チャイルドシートの重量）未満の場合、チャイルドシートは取り付けてはいけない(2010JIS改正)。不足の場合は「クラス25」以上のものと交換が必要(25か27)。リヤキャリヤに「ＭＡＸ２５ｋｇ」などの刻印があり、チャイルドシート可否シールも貼ってある。以前の「ＭＡＸ１８ｋｇ」(クラス18)と表示がある自転車には、リヤチャイルドシートは装着できない

→子乗せ自転車の選び方

■チャイルドシートのタイプ等

・プラスチック製　　
軽く、さびない　　OGKなど

・スチール製　　
重くてさびるが、丈夫で安い　夏は熱く冬は冷たい　

・シートベルト

3点式シートベルト:　眠ると前に倒れる

5点式シートベルト:　眠っても前に倒れにくい

・バックレスト　(ハイバック)

ヘルメットでは防げない衝撃を軽減。後頭部だけでなく側頭部も守る。2007新SG規格以降、事実上の標準に

子どもが眠っても大丈夫
子どもは頭が比較的重いので眠ってしまうと自転車がぐらぐらするが、ヘッドレスト付きだと安心。子どもも「(ヘッドレストが付いているチャイルドシートは)怖くない」

弱点:ヘッドレストの重さのため、自転車の重心が上に移るために自転車が倒れやすく　風を受けると倒れやすく(特に野外駐輪場)

・取り付け

ほとんどの機種は、ドライバーで自分で取り付けできる。シートと付属板で荷台を上下から挟んでねじを締める。所要30分ほど

後ろに取り付けすぎると、自転車の前輪が浮きやすくなる。前に取り付けすぎると、親の背中やかかととぶつかる

・サスペンション付きのイス型本格タイプ　　　
    路面ががたがた、マウンテンバイクなどに適する　安定性がよく、子どもは快適・寝てしまう　かっこいい　
    重い　高い　
    サドルを一番下に下げようとするとぶつかって下げられない輸入製品も　　
    乗り降りでいちいちヘルメットを外さないとベルトがつけにくい製品も　
    電動アシスト自転車には取り付けできないと記載されている製品も(自転車店で相談すると取り付けできることも)

・色

炎天下に駐輪すると、黒、茶はかなり熱くなる

■製品の選択

典型的な手順は、主要メーカーで考えると、

「OGK製品にするか、ブリヂストンにするか、それともかっこいい輸入メーカー品にするか？」

OGK:　自転車用品大手。他社製のチャイルドシートも実はOGKによるOEM製品であることも

ブリヂストンサイクル:　タイヤのブリヂストンの関連会社。2010年にチャイルドシートをリコール。子乗せ自転車も製造

かっこいい輸入品など:　一体型(椅子型)のHAMAXやTOPEAKなどは高級イメージ。派手なので、自分の自転車と合うかどうか、コーディネート。小さい自転車には不適など、安全に取り付けられる車種は限られる　

■OGKの後ろ子供乗せの比較　

OGKは自転車用品の主要メーカー。OGK製にもいくつか種類があるが、

★ベストセラーは「OGK ヘッドレスト付デラックス後ろ子供のせ」のタイプ　　　

OGKメーカーサイト　

以下は主要製品発表日時　(2007年新SG規格から2011まで)

2011.04.27　 RBC-011DX(かっこいい一体型)

2010.12.20　 RBC-009DXS、RBC-009DXB2　　

2010.7.9 ブリヂストンサイクルがリコール(足を車輪へ巻き込み事故続出)

2010.5 JIS改正自転車の荷台強度が「クラス25」以上必要に

2009.05.13　RBC-007S

2009.03.02　RBC-007DXS　この「007」が以後長らくベストセラー　　RBC-009S

2008.9.19　 RBC-010DX(藤風 =高級)

2008.1.28　 RBC-007DXN　RBC-009B2、 RBC-009F

2007.8.24　 RBC-009 ＝新SG規格に完全対応した後ろ子供のせの第一弾

2007.3.30 SG規格改訂

～～～～～

2005.12.15 RBC-007DX

RBC (rear baby carrier) = 後ろ子供乗せ　　　-DX　＝　ヘッドレスト付き「デラックス deluxe」　　　-B 着脱可能タイプ　　　RBC-007DXSは、N→Sへのバージョンアップ

●ベストセラー　RBC-007DXS

（ヘッドレスト付デラックスうしろ子供のせ）　テレビで「究極の子どものせ」と紹介されたとか。日本製

2009/3発売

007同梱のポップ

衝撃吸収率約90%のパッドをヘッドレストに採用　
背中のムレを防ぐオープンエアタイプ
高さ調整ができるヘッドレスト
2段階に高さ調整出来るステップ　　(ブリヂストンのリコール以前から、車輪巻込み防止の為に、OGK製品はステップは大型化させていた)
後ろカゴにもなる(内側の枠を起こす)
適用年齢／2～5歳くらい
適用体重／20kg未満（クラス25うしろキャリア使用時）
適合車種／22～27インチの後ろキャリア付婦人車、軽快車

5点式シートベルト　　
優秀で安心だが、
*「ロックを自分で押さえて解除できるのでは・・と思うほど簡単に開きます」「三歳になったばかりなのにバックルを外せてしまう」「1歳児でもなんなく外せてしまいます」「ベルトのアタッチメントがもう少しカチッとはまると、もう少し安心なのですが」というレビューも(2011/7時点)　　
(逆に、爪を伸ばしているママたちからは、外しやすいものを望む声がメーカーに寄せられているとのこと)
また、肩ベルトは外れやすい
→安全のためには改善が望まれる

RBC-007DXSは初めからヘッドレストをつけることを前提に設計。これに対し、RBC-009DXSは、RBC-009Sにヘッドレストと5点式シートベルトを追加することでグレードアップされてきたという経緯。どちらもＳＧ規格合格で強度は同じ

*ヘッドレストがあっても、子どもが少し前傾していると、横転時に頭は保護されない
→自転車は横転が多いので、ヘッドレストがもっと横にぐっと張り出す形に改善が望まれる

*荷台がパイプ型だと取り付け不可　(取付けステーが曲がって走行中に子供乗せがずれる可能性があるため)　　実際に特定のパイプキャリア(荷台)装着車へ取付けができるかどうかは、その自転車メーカーに要確認
原因は、007付属の取り付けボルトが短いためで、ホームセンター等で長いボルトを買ってくれば使えるもよう(あるいは自転車店で取り付けを頼む)　　　
RBC-009シリーズとブリヂストン社のキューティーキッズは取り付けボルトが長く、パイプキャリアでも取り付けられる

●RBC-009DXS （ヘッドレスト付うしろ子供のせ）　

2010/12発売　007DXSよりも後から発売されたが、必ずしも007の改良型とはいえないもよう。生産が少ないらしく供給にも問題

衝撃吸収率約90%のパッドをヘッドレストに採用
背中のムレを防ぐオープンエアタイプ。
高さ調整ができるヘッドレスト
ズリ落ち防止、新設計5点式シートベルト。(RBC-009DXSとRBC-007DXSはバックルが異なる。RBC-007DXSのバックルの方が外しづらいと思われる)
車輪への巻き込みを防止、大型ステップ。　*RBC-007DXS(こちらも大型ステップ)と違い、 2段階高さ調整は出来ない
後ろカゴにもなる。
製品重量／約3.5kg

●RBC-009DXB2 （ヘッドレスト付着脱うしろ子供のせ）　
レバーで簡単に着脱できるようにしたもの
マンションの立体駐輪場など、チャイルドシートを自転車に付けたり外したりする必要がある場合に便利。他機種の着脱には、何個もねじをいちいちドライバーで外すことが必要。着脱ベースのために重量はぐっと増える。
そのほかはRBC-009DXSと同じ

●RBC-010DX　　シート周りが藤風　
RBC-007DXSがベース。昔はこれが最高級品だった

●RBC-011DX　　2011/4　

一体型輸入ハイバック後ろ子供乗せ(小さくたたむことはできないが頑丈)に範をとったスポーティタイプを発売　快適、カラフルでかっこいい　
衝撃吸収率約90%のパッド
多段階に高さ調整の出来るヘッドレスト
4段階に高さ調整の出来るステップ
キャリヤが破損しても落下しないベルト(サドルにくくり付け)
*重量はやや重い4.4kg。背中はメッシュではない。後ろカゴにはならない
　