ベビーカー

ベビーカーの選び方
初めてのベビーカー基礎知識ガイド

■ベビーカーの種類　

A型ベビーカー　(新生児から4歳)　＝　小型・軽量・対面可能・折りたたみラクで、日本では一番人気　
B型ベビーカー　(生後7か月から4歳。より軽くコンパクト) *A,Bともに「２歳まで」だったが、2009年に製品安全協会が基準改訂
バギー(生後7か月から４歳。横から見ると三角形の骨組みで、強度が強い。＝　押しやすく、長持ち。ただし外国製は特に重く大きい)
そのほか

対面式とは　　　赤ちゃんがママに対面するように(母子ともに安心)、ハンドルの位置を変えられる機種。国産はだいたい対応。対面式に切り替えると、回転する前輪キャスターが後輪となってしまうため、方向転換は前輪でなく後輪でするようにするとスムーズに動ける。子どもが大きくなれば、景色がよく見える背面式に。

実際的に考えると、代表的なベビーカーは、コンビ、アップリカ(国産２大メーカー)、マクラーレンなど外車、三輪車型、カーシート兼用型。それぞれに特色。

■ベビーカー選び方のポイント

まず最初に、使用シーンを想像してみる。電車を毎日利用(して保育園に送り迎え)する、近辺は階段が多い(エレベーターがない)、砂利道が多い、親の背が高い

使いやすさで選ぶ　→コンビは、親にとっての使いやすさと、赤ちゃんにとっての「快適性｣に重点をおいて開発。安全にも配慮

医学的には　→アップリカは、「医学的｣に安全であることをPR。クッション・形状など、赤ちゃんの脳・股関節などにどんなものがよいか、ということに重点をおいて開発。アップリカは医学的なネーミングにも熱心。実際には各社に顕著な差はなく、乳幼児は激しく動くので形状にそれほど意味はないのでは

軽さで選ぶ　→国産。コンビもアップリカも4kg前後の軽量モデルを開発。
折りたたむと薄く、階段・エスカレーターに強い。

軽く押せるもの　→　バギー(横から見ると骨組みが三角形)は、腕で押す力が効率的に伝わり、押したときにぐんと軽く感じる。強度が高いため、子どもが４歳(15キロ)になっても軽く押せる

階段を利用する　→軽いベビーカー。駅通勤で保育所に預けることが予想されるなら、軽く、折り畳みしやすく自立するものが無難。国産であるコンビ・アップリカの多くはこれ。
駅にエレベーターがあれば、バギー(折りたたみがワンタッチではない)でもラク

駅改札　→幅広タイプは通れない　　通常の自動改札は幅55cm。通常タイプの国産ベビーカーは幅45cmぐらいなのでスイと通れる。三輪車タイプは倒れにくいように幅を広めに設計してあり、幅59cmのものなどはワイド・有人改札(幅90cm)しか通れない。
三輪車タイプは(転倒防止に)縦か横に長いので、電車内・エレベーターではきゅうくつ

かっこよいものが欲しい　→マクラーレンなど外車は、かっこよさから選ばれることが多い。
比較的頑丈・重い。個性的。自動車で移動する方はマクラーレンを好む傾向がある(店員さんのお話)。

スイスイ動きたい　→三輪車タイプは、アクティブ。車輪が大きいので段差にぶつからず超える。
背が高いタイプはもっとも押しやすい。もし倒れると大ケガなので、重心を低く・幅を広めに設計してある。　
GMPインターナショナルエアバギーミミ　ブレーキモデル　押しやすく、安定感も高い　専門家からも高い評価

砂利道・段差が多い街に住んでいる　→車輪が大きめな機種
三輪車タイプや、マクラーレンなどの車輪大き目タイプ。国内メーカーも、車輪を大きめ直径16.5センチにするなど対応　赤ちゃんの頭を衝撃から守る　　

移動は自動車　→チャイルドシート兼用タイプは、自動車移動がメインの場合は便利。寝ている赤ちゃんを起こさずに移せる。車内では、車の振動で寝てしまう赤ちゃんが多い。

生後数カ月から使いたい　→Ａ型ベビーカー(国産の場合)、またはそれぞれのベビーカーの注意書きで適用年齢(月齢)を確認。150度ぐらいまで深くリクライニングし、ベッド状になる。
国産ではJISで昔「A型、B型」が決められたが、今ではあまり差がない。A型は寝る姿勢にリクライニングでき、新生児でも(生後1カ月たてば)ベビーカーに乗せられる。その後にA型が進歩した(軽くなり、B型同様に2歳まで使えるようになった)ため、B型はあまり製造されなくなった。

生後7カ月以後に買うなら　→バギータイプ、またはB型ベビーカー。もう腰がすわったら(7カ月ぐらい)、深いリクライニングは不要に。折りたたみイスに車輪をつけた軽快なバギー。軽くで安価で扱いやすい。B型よりも長く、4歳まで活躍。

赤ちゃんの顔をずっと見ていたい　→　対面式(と背面式)を切り替えられるもの。バギーは切り替えられない

収納スペース(玄関)が狭い　→　簡単に折りたたみできるもの。バギーは折りたたみがワンタッチではなく、折りたたんでも自立しにくい

安くすませたい　→まだ買わず、生後7カ月(腰がすわるころ)まで待ってから、バギー( = 安くで軽快)を購入。あるいは、A型・B型にしばられないマクラーレンなど外車には、生後数カ月から4歳まで使えるものがある。

何を買っていいか分からない　→急ぐ必要なし　　赤ちゃんが軽いうちは、抱っこひもの方が便利で、子どももぐずりにくい

■購入時にご注意

まず適用月齢を確認　生後何カ月から使えるように設計してあるのか、値札などに書いてあるので確認。
新生児用でないものを間違って買うと、生後7カ月になるまで使用できない。
7カ月たっているのにA型を買うと、高くつく。

赤ちゃんを実際に乗せてみる　　嫌がって泣くのであれば、そのベビーカーは当面あきらめる。ベビーカー絶対拒否の赤ちゃんも。「ほかのベビーカーでは泣くが、このベビーカーに乗せたらニコニコ｣の場合も。

押して歩いてみる　　自分の身長とハンドルの相性を確認。
・ハンドルの高さがポイント。持ちづらい、高さが(調節しても)合わないと、不自然な姿勢で押すことになり疲れがたまる。歩くと後輪に足がぶつかってしまう場合、いつもベビーカーの横に立って押す羽目に。
・背面・対面式が切り替えられる機種は、両方を試す
・A型とB型は、バギーと比べ押しづらい(重く感じる)が、改良され押しやすい機種もある

安全マーク　　　特に国産品の場合は製品安全協会のSGマークが付いている。ほとんどのベビーカーは各国の安全基準を満たして販売されている。

新しい製品　　　指を挟むなど、ケガ事故が続くとJIS基準が改訂されるので、近年の製品が比較的安全

Ｑ：ベビーカーって本当に必要？　　長所は「軽い｣こと

絶対必要ということではないが、市街地では便利。
毎日の散歩・買い物に連れ出しやすい。
特に子どもが生後数カ月たち、体重が10キロ前後になると、抱っこひもではつらい。外出中に眠ってしまったときなどに活躍。
「押していく｣ことに育児感がある。パパにも参加しやすい

体力に自信があれば、抱っこひもだけで乗り切ることは可能。必要と感じるようになればベビーカーを買えばよい。

家の周りが平らでない・段差が多い地区では役に立たない。三輪車タイプなど車輪の大きいものでないと、わずかな段差でも乗り越えられない(手前車輪上のステップを足で押さえ、ぐいっと前方車輪を持ち上げて乗り越える)。

Ｑ：ベビーカーの短所は？　　移動に制約、不便

主にエレベーターがあるルートでしか移動できなくなり不便。
エスカレーターの場合、たたんで肩にかけ、子どもは腕に抱く。国産のものは軽いのでたたんで肩にかけやすい。しかしおもちゃなどが増えるとたたむのは大変。対面(赤ちゃんが親の方を向くよう)にセットしているときは、折りたたむことができない。
砂利道などはかえって移動に不便。

赤ちゃんに泣かれる。親と距離が離れて不安なので、慣れるまでは嫌がる子も。逆にすぐ寝てしまう子も(振動で眠くなる？)

Q：ベビーカーの知られざる用途は？　　　拘束

ベビーカーには、幼児を安全に拘束してくれるという側面がある。

１歳ごろからふらふら歩き回ったり、走り回ったりするようになるため、道路に飛び出したり、とがった物に触ったり、お店で商品を壊したり、次々と危険なことが起こる。１歳児は事故が一生で最も多い。　

このため、子どもが自分で歩ける状態でも、疲れた親がベビーカーに乗せたがる場面が出てくる。

朝日新聞2010/11/27p16「声」欄「ベビーカーたたむのは大変」より引用：
「マナーを守らない親についての投稿(20日)に、『満員電車でもベビーカーをたたまない』とあった。私も、子を持たずにいたころは、同じ気持ちを抱いていた。しかし親になった今、好き勝手に動き回り分別のつかない乳幼児と移動するには拘束力のあるベビーカーが必須で、『たためない』ということがよくわかった。さらに、…合計20キロをかかけながらの乗り降りや移動は困難極まりない…」

■ベビーカーは暑い　　子どもの熱中病対策

子どもは地面に近いので、大人より2～3度暑い

→子どもの熱中病対策

■便利なベビーカー小物

レインカバー
風・冬の寒さよけにもなる
ただし、レインカバーに囲まれるのを嫌がって絶対拒否する乳幼児にはほとんど使えない。その場合、レインコートを着せてベビーカーに乗せ、<ベビーカー内ができるだけぬれないように>傘をさす(幼児になったら本人に持たせる)、というテクもあり。ベビーカー用傘ホルダーも市販されている

クリップ　
ブランケットや、お気に入りのおもちゃをとめておくのに必須。100円店で売っていることも

ブランケット　
冬は必須。ベビーカーのシートは冷たい路面に近いため、赤ちゃんは寒い。

涼しいシート
夏あるとベター。ベビーカーのシートは路面に近いため、大人以上に暑い。通気性抜群のブレスエアーのシートもあり。ブレスエアーについてくわしくは「マットレスの選び方」ページへ

ベビーカー用おもちゃ　　

リフレクター(交通安全反射シール)　　夜間の外出に

ベビーカー小物すべて(アマゾン)

アップリカ　

国内大手老舗二社(アップリカのシェア５割、コンビは３割)だけで20機種以上。開発競争で小型・軽量化。3～5キロ台が多い

外国製も各種　　重さ4～7キロ

2003 英国の「マクラーレン」輸入。バギーが急速に普及　＝　押しやすく、長持ち(ただし重く大きい)

2010 ビジョンがベビーカー参入

国内推定市場は年65万台、１３０億円前後　　単価が上昇